紅茶の茶葉の種類と特徴~茶葉に合ったお菓子もご紹介
紅茶の茶葉は産地によって香りや味が様々です。それぞれの特徴を知ることで、その日その時の気分によって、お気に入りの茶葉を選べるようになります。普段のティータイムをグレードアップしませんか?茶葉にぴったりのお菓子を選ぶとさらに楽しめますよ。
[1]代表的な茶葉の種類
全世界で年間に生産されるお茶(緑茶・ウーロン茶・紅茶など)の総生産量は約420万t。そのうち約80%を紅茶が占めていると言われています。
生産地はティーベルト(※)に集中し、特に有名なのは、三大紅茶のダージリン・ウバ・キーモンの産地であるスリランカ・インド・中国です。
野菜や果物などと同様、紅茶の茶葉にもそれぞれ旬があります。旬の時期に摘まれた紅茶は「クオリティーシーズン・ティー」と呼ばれています。
クオリティーシーズンの茶葉は、その産地特有の香りや味が最も優れた高品質のものが期待できます。各産地で摘み採られたクオリティーシーズンの紅茶は、早ければ1~3ヶ月後には日本でも楽しめます。
今回は三大紅茶の産地、スリランカ・インド・中国に加え、近年発展を遂げているケニアの特徴をご紹介します。
※ティーベルト=紅茶生産国が集中している産地で、赤道を北回帰線を中心とした北緯45°~南緯35°の範囲。
スリランカ
日本への茶葉の輸出量第1位のスリランカ。インド洋に浮かぶ島国で、かつての国名がセイロン島の為、今でも「セイロンティー」として親しまれています。
山脈が連なるこの島では、茶葉の産地が標高により7つに区分けされています。1年中茶葉の生産が行われていますが、クオリティーシーズンの茶葉は別格です。
近年では高級茶葉として取引されています。
・ヌワラエリア
日本の緑茶に近い感覚で飲むことができる紅茶です。水色は淡いオレンジ色。緑茶のような心地よい渋みと花香を堪能できるストレートティーがおすすめです。
・ウバ
世界三大紅茶のひとつ。ウバフレーバーと呼ばれる独特な香りは、バラやスズランのような花香に似ています。水色(※)は赤みのあるオレンジ色。水色・香りを楽しむには、ストレートがおすすめですが、ミルクティーにもよく合います。
※水色(すいしょく)=紅茶の色のこと
・ディンブラ
心地よい渋みとコクが特徴。飲みやすいので万人受けする紅茶です。水色は美しい鮮紅色。ミルクティーやレモンティーなど、幅広く楽しめます。
・ルフナ
上質なものは、独特なモルティーさと黒糖のような甘みながらすっきりした後味はセイロンティーならでは。ミルクティーによく合います。
上記の他に、キャンディ・ウダプッセラワ・サバラガムワがあります。
インド
世界最大の紅茶生産量を誇り、日本への輸出量第2位のインド。国内消費が多いのも特徴で、生産量に比べると輸出量は多くありません。日本でもファンの多いダージリン、アッサムなど名の知れた茶葉が生産されています。
・ダージリン
世界三大紅茶のひとつで、甘く爽やかな香りと上品な渋みが特徴です。年に3回収穫期があり、収穫期によって味わいが異なります。
・アッサム
ほとんどがCTC製法。季節風の影響で雨量が多いことで、味に深いコクとモルティーさが生まれます。ミルクティーによく合いますが、フルリーフタイプはストレートでも楽しめます。ストレートの場合、茶葉本来の若々しさを感じられます。
・ニルギリ
インド茶特有の甘く深いコクだけでなく、セイロンティーのような爽やかさも感じられるものもあります。
中国
茶の発祥地として知られている中国。烏龍茶でよく知られていますが、独特の風味をもった個性的な紅茶も多く生産されています。
・キーマン
世界三大紅茶のひとつ。蘭のような香りとスモーキーな奥深い香り、まろやかな味わいが特徴です。葉の色は黒いですが、水色は明るく澄んでいて、ストレートで飲むのに適しています。超特級~3等級までランク付けされ、世界中で高価な価格で販売されています。
ケニア
フラットな土地で均一な品質の紅茶を大量生産し、輸出量は世界第1位を誇ります。ケニアを筆頭に、アフリカの紅茶生産も急成長しています。
・ケニア紅茶
クセがなく、おだやかなコクとマイルドな渋みが特徴です。水色は赤みの強いオレンジ色で、澄んだ綺麗な色をしています。
[2]紅茶のグレードについて
紅茶を買う時に、「OP」、「BOP」などの表記を目にしたことはありませんか?これらは紅茶のグレードと呼ばれるもので、茶葉の「大きさ」を表します。
紅茶の製造工程の最後でふるいにかけて大きさを分けます。紅茶のグレードは「大きさ」を表すだけで、決して品質の良し悪しを表すものではありません。
また、グレードには明確な世界基準はなく、各産地や茶園により若干異なることも紅茶のおもしろさの1つです。
OP(オレンジ・ペコー)
細くよじれた長い形状。7~11mm程度。茶葉のよりをしっかり戻してエキスを十分に抽出させるため、むらし時間をたっぷるとりたい。ダージリンによく見かける。名前にオレンジが入っていますが、オレンジの香りはしません。
P(ペコー)
3~5mm程度。ウバなどの渋みを楽しむ茶葉で、BOPでしっかり抽出するとコクや渋みが強くなりすぎるものも、このサイズだとバランス良く楽しめることもあります。
BOP(ブロークン・オレンジ・ペコー)
2~3mm程度。アンオーソドックス製法のセイロンティーに多いサイズ。比較的濃く、抽出が早いためティーバッグにもよく使われています。
BOPF(BOPファニングス)
BOPよりもさらに細かく1~2mmくらいの茶葉です。ティーバッグや水出しでも濃くでるタイプ。こちらもセイロンティーに多いグレードです。
D(ダスト)
1mm以下の粉状の茶葉です。ダストというと響きがいまいちですが、良質のものは香味も強いことから高値になることもあります。。
[3]【茶葉の種類別】おすすめの紅茶菓子
「ティーフード」(※)という言葉があるように、紅茶は他の飲み物に比べ、食べ物との相性がよいことで有名です。ここでは、カレルチャペックの紅茶のフードペアリングを茶葉の種類別にご紹介します。
※ティーフード=紅茶と一緒に食べるもの
カレルチャペック ヌワラエリヤ
カレルチャペックのヌワラエリヤティーは、高貴な香りと独特の渋みが特徴で、後味に心地よい旨みを感じられます。水出しでも十分おいしく飲めます。
クオリティーシーズンのヌワラエリヤは、煎茶に近い味わいなので、あんこ菓子によく合います。そのほかに、甘いチョコレートやドライフルーツなども◎。和菓子には日本茶という固定概念は捨てて、ぜひ紅茶も試してみてくださいね。おにぎりにもおすすめです。
カレルチャペック ディンブラ
濃く突き抜ける香りと円満な渋み、コク、明るく爽快な後味が楽しめるディンブラ茶。どんな飲み方でも美味しく飲むことができ、軽い甘みの焼き菓子やチーズケーキ、ナッツ入りのお菓子などによく合います。また、クロワッサンなどのバターたっぷりのパンやパスタにもおすすめです。
カレルチャペック ルフナ
世界最多受賞<ルンビニ茶園>の選別手摘み茶葉を100%使用したルフナ茶。温かいときは香りが引き立ち、常温や冷めた後に甘みと旨味が増します。ミルクティーにしても紅茶の風味が消えず、水出しでも十分おいしいです。焼き菓子や軽いチーズ菓子、餅菓子によく合います。特徴のある濃い目の料理にもおすすめです。
カレルブレックファスト
カレルチャペック自慢のハイルフナとディンブラをブレンドした紅茶です。しっかり香るルフナの旨味と甘みを感じつつ、ディンブラの渋みとコクで明るいキレ味に。パン食やたまご料理、シリアルなどによく合います。甘みをつけたミルクティーは朝食後や目覚めの一杯におすすめ。
[4]自分好みの茶葉とお菓子を見つけて素敵なティータイムを
いかがでしたか?産地別の特徴を知って、時間や気分に合わせて紅茶を選べるようになると楽しいですよね。さらに、食事やお菓子とのマッチングでどんどんティータイムの楽しさが広がりますね。朝の1杯、リラックスやリフレッシュ、ブレークタイムに、3時のおやつに、家族と一緒に、お友達と一緒に、いろいろなシーンで楽しめる紅茶は、ティーフードとのペアリングでさらにおいしく!楽しく!お気に入りのティータイムをみつけてくださいね♪