インド紅茶について~世界三大紅茶のひとつ「ダージリン」の生産国として有名

インドは紅茶の世界最大産出国。世界三大紅茶のひとつダージリンをはじめ、味わい深い紅茶が沢山あります。今回はインド紅茶の歴史や産地ごとの茶葉の特徴、おすすめのインド紅茶などをご紹介します。産地ごとに飲み比べてみて、お気に入りを見つけてくださいね。

[1]インド紅茶の歴史

インドのお土産と言えば紅茶!というほど、紅茶はインドを代表する特産物になっています。しかし、インドでの紅茶栽培や流通の歴史はそこまで古くなく、比較的新しいものです。今回はインド紅茶の歴史をご紹介します。

東インド会社と紅茶貿易の歴史

1600年にイギリスの紅茶貿易の始まりとなる、東インド会社がインドに設立されました。貿易の窓口となる取引所がマドラスやベンガル、ボンベイなどに作られ、インドはイギリスの植民地となりました。

18世紀始めまでイギリスは中国との茶貿易が盛んでしたが、中国よりも近く、植民地であるインドでお茶の栽培をしようと考え、中国種の栽培を始めました。しかし、中国種はインドの気候や土地に合わず、失敗を繰り返しました。

東インド会社はそれまで特権的な地位を確立していましたが、1763年に起こったフレンチインディアン戦争や、中国との貿易独占権を失ったことが致命的となり、少しずつ衰退していきました。

インドで紅茶栽培開始

従来、中国以外での栽培は難しいとされていたお茶ですが、1823年にイギリス人冒険家ブルースによって北東部のアッサム州で自生種が発見され、「アッサム種」として品種改良が始まりました。

イギリス国内でも高い評価を受けたアッサム茶はインド国内でも栽培が拡大され、さらに、1841年にはダージリン地方で中国種の栽培が始まります。

チャイの誕生

現在では「インドといえばチャイ」と言っていいほど国民的な飲み物のチャイですが、そこに行き着くまでには歴史があります。

インドで茶葉の栽培が始まったころ、紅茶はイギリス国内では高価な嗜好品でした。そのためインド国内で作られた紅茶も、高品質なものはヨーロッパへ輸出していました。しかし、低品質な茶葉は、輸送コストを抑えるためにもインド国内で消費される必要がありました。

当初、イギリスはこれらの茶葉をストレートで煮出したものを普及させようとしましたが、あまりにも苦みが強く受け入れられません。

植民地内での需要を生むために試行錯誤し、インド人のアレンジが加わった結果、スパイスと牛乳と砂糖で濃く煮出したチャイが誕生。

チャイもすぐに受け入れられた訳ではありませんでしたが、もともとインドではスパイスを湯や乳で煎じて飲む習慣があり、徐々に受け入れられるようになりました。

チャイの起源にはいくつか諸説があるようですが、広く飲まれるようになった背景はこのように低級茶葉の国内消費を促したことにあるようです。

[2]【種類別】インド紅茶の特徴と飲み方

インドは世界最大の紅茶生産国です。生産量の多い地域はインド北東部で、アッサム・カチャール・ダージリン・ドアーズ地方がその代表です。

南インドでは、高地に位置するニルギリ地方を中心として、年間を通じて香り高い良質の紅茶が生産されています。

今回は世界三大紅茶のひとつダージリンや日本国内での消費量が多いアッサム、セイロン紅茶に似た味わいが特徴のニルギリについてご紹介します。

ダージリン

ブータンとネパールに挟まれた高原地帯。大小様々な茶園が広がり、現在では約90ほどの茶園でお茶の栽培が行われています。

ダージリンは世界三大紅茶のひとつで、クオリティーシーズン(※)のセカンドシーズンにはさわやかな味わいのマスカット香が特徴です。

<クオリティーシーズン>
・ファーストフラッシュ(春摘み茶・一番摘み茶)

3月中旬~4月に摘まれ、発酵が浅く緑茶のように青々とした外観と黄味がかった淡い水色(すいしょく)が特徴。爽やかな甘い香りとフレッシュな味わいを楽しめます。

・セカンドフラッシュ(夏摘み茶・二番摘み茶)

5月〜6月に摘まれ、ダージリンの最高クオリティと言われています。渋み・甘み・うま味に加え、コクと香りもあります。特にダージリン特有の甘く爽やかなマスカテルフレーバーが特徴です。茶葉は濃いブラウン、水色は明るいオレンジ色をしています。ストレートで飲むと、シーズンによって異なる味や香りをより一層楽しめます。

・オータムナル(秋摘み茶)

10月~11月頃に摘まれ、厚みのある葉と深いオレンジ色の水色が特徴。芳醇な味わいと深い甘み、コクがあり、ミルクティーでも負けない風味です。

※クオリティーシーズン=1年のうち最も良質な紅茶が採れる季節
※OP(オレンジペコー)=細長く、撚りのかかった大型の茶葉。

アッサム

インドの北東部に位置するアッサム州。周囲にはバングラデシュ、ミャンマー、チベットが隣接しています。

大河がもたらす豊かな土壌とモンスーンによる世界有数の降雨量など、茶栽培に最適な気候条件に恵まれた世界最大のお茶の産地です。

アッサムは日本国内での消費量が多い紅茶です。収穫シーズンは3~11月、クオリティーシーズンは6~7月。甘みが強くコクのある味わいと濃い茶褐色の水色、芳醇な香りが特徴です。

ほとんどがC.T.C.製法で作られ濃い味わいのため、ミルクティーによく使われます。

ニルギリ

南インドの二ルギリ高原で生産されている紅茶です。南インドは地理的な条件から、気候がスリランカに似ています。

セイロン紅茶に似た味わいが特徴。収穫シーズンは通年、クオリティーシーズンは12月末~1月。味、香りともにクセのないマイルドな味わいです。レモン・ミルク・アイスなど、幅広いバリエーションを楽しめます。

[3]おすすめのインド紅茶をご紹介

アッサムC.T.C

芳醇な香りで濃厚な味わいのアッサム茶は、定番だからこそ、厳選された高品質な茶葉を使用しています。そのおいしさを素早く濃く出すためにCTC製法(※)を採用。味わい深く、ロイヤルミルクティーにも最適です。

※CTC製法:C(crush 砕く)T(tear 引き裂く)C(curl 丸める)製法

残念ながら、近年は納得のいくダージリンに出会えず、カレルチャペックではダージリンティーの取り扱いはございません。良い出会いがあれば、その時はぜに皆さんに紹介いたします。

また、インド紅茶ではありませんが、セイロン・ルフナ茶のカレルチャペックのチャイをご紹介します。

デイリースパイスチャイ

ルフナ茶にシナモン、カルダモン、ジンジャー、ブラックペッパーをブレンド。ひとくちでピリリと心地よいスパイスの刺激を感じられる本格派ですが、主役の紅茶もきちんと味わえます。

<おすすめのチャイの飲み方>
・ストレート&ミルク
ぜひ試していただきたいのはミルクなしのストレート。爽快感があり胃もすっきり!ウイルスにも効果的です。ミルクを入れて飲むと、ミルクと紅茶のコクを楽しめます。

・アイスチャイ&アイスミルクチャイ
ティーバッグならお手軽で簡単!爽やかなおいしさが際立つだけでなく、ジンジャーの温め効果で、女性の胃にも優しいコールドドリンクに仕上がります。

<アイスチャイのレシピ>
まずティーバッグを100mlの少量のお湯で4〜5分蒸らし、ティーバッグをしぼります。甘みをつける場合はこのときに。そして、グラスからはみ出るくらい氷を入れ、チャイを氷に当たるように注いでください。にごりづらく、美しい琥珀紅色が出ます。甘みをつけなければ、サンドウィッチとも相性抜群。

<アイスミルクチャイのレシピ>
ティーバッグをごく少量のお湯で5分以上蒸らし、ぎゅっとしぼって濃い紅茶を作ります。10分蒸らしても大丈夫!それを冷たいミルクにそそぎ、お好みで氷を浮かべてください。体の冷えが気になる方は、キンキンに冷やさず氷なしのぬるめがおすすめ◎ぬるめでも十分おいしいです。

[4]飲み比べてみよう

同じインド国内で育った茶葉でも、味や香りなど様々な違いがあります。ぜひ飲み比べてみて、お気に入りの紅茶を見つけてみてくださいね♪ ミルクティー向けのアッサムとルフナなど、セイロンティーとの飲み比べも楽しいですよ。皆さまの紅茶の世界と楽しさを広げていってくださいね。

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