キャンディの特徴と美味しい入れ方~おすすめの飲み方も紹介

キャンディはスリランカ紅茶の7大産地のひとつで、スリランカ紅茶発祥の地でもあります。良くも悪くもクセのないマイルドな味わいが特徴。キャンディが作られる土地の気候風土や美味しい入れ方、おすすめの飲み方などを紹介します。

[1]キャンディ紅茶の特徴

気候風土

キャンディ紅茶の茶葉は、他のスリランカ紅茶の茶葉の産地の中ではちょうど真ん中くらいの高さのミディアムグロウン(中地産)でつくられます。標高は約600~1,200メートル。

季節風の影響を受けにくく、一年を通して気候が安定しているため一年中紅茶がとれ、茶葉の生産量も安定しています。

キャンディ紅茶の歴史

1852年に、スコットランド出身のジェームス・テーラーがキャンディで最初の茶園を開いたことから、セイロンティー発祥の地とされています。

元々彼はコーヒー栽培に携わっていましたが、コーヒー園でサビ病が流行し、壊滅状態になったのをきっかけにチャノキ(茶の木)の栽培に転向することになりました。

彼は見事にチャノキの栽培に成功し、その後の生涯を紅茶の生産にかけ、セイロンティーの歴史に最も貢献。「セイロンティーの父」と呼ばれるようになりました。

茶葉のシーズン

一年を通してほぼ同じ気候のため、年間を通してほぼ同じ性質・品質の茶葉が収穫されます。

製造方法

キャンディの茶葉の製造方法はオーソドックス製法とセミ・オーソドックス製法が中心。わずかにCTC製法でもつくられています。

・オーソドックス製法
昔ながらの製法を機械で再現したもの。
茶葉を摘む→しおらせる→もむ→ふるいにかける→発酵→乾燥

・セミ・オーソドックス製法
ローターバンの工程が特徴。
茶葉を摘む→しおらせる→もむ→ローターバン(ねじ切る)→ふるいにかける→発酵→乾燥

・CTC製法
濃く早く紅茶を入れるための製法
茶葉を摘む→しおらせる→ローターバン(ねじ切る)→つぶしてちぎり丸める(CTC機)→発酵→乾燥

CTCは、“Crush(砕く)”“Tear(引き裂く)”“Curl(丸める)”の頭文字をとっています。

茶葉の特徴

キャンディの茶葉は黒みを帯びた褐色。BOP(ブロークンオレンジぺコー)が多くみうけられる。

水色(すいしょく)や味わい

キャンディ紅茶の水色は赤みがかったオレンジ色。良くも悪くも特徴のなくマイルドな風味であることが多いが、茶園によっては、ほんのりと香るモルティーフレーバーが感じられる。

[2]キャンディ紅茶のおすすめの飲み方

マイルドな味わいのキャンディはストレートで飲むのがおすすめです。ほんのりモルティー香を感じるものはミルクティーもおすすめ。季節のフルーツをカットして入れたり、アレンジティーにもおすすめです♪

[3]キャンディ紅茶の美味しい入れ方

おすすめのストレートで飲む場合とミルクティーで飲む場合の入れ方をご紹介します。

ストレートで飲む場合

<リーフティー(ストレート)の入れ方>

1.ポットを使っていれます。
茶葉をいれる量にあったサイズのポットを使うのがポイントです。

2.汲みたての水を強火で短時間で沸かします。
お湯に空気がたくさん含まれることで空気の対流運動を助け、茶葉が開きやすくなります。

3.必ずポットとカップを温めます。
ポットは必須です。お湯を人数分のカップに少量ずつそそぎ、全体にいきわたるように回しいれ、温まったらお湯を捨てます。

4.キャディースプーン(茶葉を計る専用のスプーン)で人数分の茶葉を計り、ポットに入れます。
すりきりが基準ですが、香りを立たせたいときやミルクティーのときは多め、軽めの紅茶を楽しみたいときは少なめにするなど、お好みに合わせて調節してください。

5.沸騰したお湯(コイン大の泡がボコボコとたくさん出ている状態)をそそぎます。
お湯の量と温度がポイント。紅茶のおいしさの成分である「タンニン」を抽出するには90℃以上のお湯が必要です。お湯の量も大切で、1杯分は150~200mlが目安です。

6.2~5分むらします。
茶葉の種類、飲み方によって蒸らし時間は異なります。キャンディ紅茶の場合は3分程度がおすすめです。

7.ティーストレーナー(茶こし)を使ってカップにそそぎます。
最後の1滴まで注ぎきってください。最後の1滴に茶葉のおいしさのエキスがつまっています。

ミルクティーで飲む場合

ほんのりモルティー香を感じるキャンディはミルクティーもおすすめ。抽出時間を長めにし、濃いめにだしてみてください。蒸らし時間は4分がおすすめです。

[4]キャンディ紅茶におすすめのマリアージュ

マイルドなキャンディ紅茶はどんな食べ物にも合わせやすいですが、特におすすめなのがいちごや桃などの味がはっきりした酸味も強めの果物。主張が控えめなキャンディ紅茶が後味をマイルドにしつつも、果物の特徴を活かします。

スイーツだとフルーツとクリームを使ったケーキやババロアなどがおすすめです。クリームの甘さを感じつつ、フルーツの味わいも邪魔せずに堪能できます。

食事にもスイーツにも合わせやすいのでぜひいろんな食べ物と一緒に飲んでみてくださいね。

[5]キャンディ紅茶の楽しみ方

クセのないキャンディは食事やスイーツにも合うので、いろんなシーンにとけこみます。また、ヌワラエリヤ、ディンブラなどの他のセイロンティーとの飲み比べもしてみると楽しそうですね。

紅茶と一口にいっても、産地や茶園、また生産者やその年の気候によっても様々。そこが、紅茶のおもしろいところでもありす。ぜひ、いろいろな紅茶を飲んで、お気に入りを見つけてみてくださいね。

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