セイロンティーの特徴|紅茶の国の7つの魅力

『セイロンティー』と聞くと、どのようなイメージがありますか?ウバやディンブラといった有名な産地を思い浮かべる方もいれば、よく耳にする名前だけに「どこかの国にある、セイロン地域の紅茶」だと思われることもあります。今回はセイロンティーの特徴をご紹介します。

[1]『セイロンティー』とは?

セイロンティーは、スリランカの旧国名『セイロン国』の名称の名残で、インド茶や中国茶のように“スリランカ産の紅茶”の総称となります。ゆえに、セイロンティーにはさまざまな種類があり、産地ごとに異なる風味を楽しめます。

日本に輸入される紅茶の約60%はセイロンティー

北海道ぐらいの大きさのスリランカですが、世界的にも有名な紅茶の産地が7つもあり、日本に輸入される紅茶の約60パーセントがセイロン紅茶となっています。

カレルチャペック紅茶店で力を入れているのも“セイロン紅茶”スリランカの各茶園をまわり、旬のおいしさや産地ごとの味わいの違いをお届けしています。

では、紅茶の国が誇るセイロンティーの魅力について解説していきます。

[2]セイロンティーの産地スリランカについて

インド洋に囲まれた小さな島国である、スリランカ。日本からは、飛行機で9時間ほどの場所にあります。

もともとはコーヒー栽培が盛んな土地でしたが、コーヒーの病害やイギリス植民地時代の影響によって、130年ほど前から紅茶の栽培がスタートしました。

スリランカは中央山脈を境に、西と東で雨季と乾季が正反対となる独特の風土をもつ国です。このような気候や標高の高さの違いによって、産地ごとの風味に異なる特徴をもたせています。

今や、紅茶の世界的産地にまで成長したスリランカは、世界有数の紅茶の輸出国(輸出量は世界第2位)としても知られています。

日本はもちろん世界中で、身近な紅茶としてセイロンティーが親しまれています。

標高がもたらす茶葉の魅力

茶園の標高 主な産地
ハイグロウン【高地】 1,200~2,000メートル ウバ、ヌワラエリア、ディンブラ、ウダプッセラワ
ミディアムグロウン【中地】 600~1,200メートル キャンディ
ローグロウン【低地】 600メートル以下 ルフナ、サバラガムワ

― ハイグロウンティー【高地産の茶葉】は個性の豊かな茶葉があり、深いコクや渋みに加えて、強い香りが特徴。

― ミディアムグロウンティー【中地産の茶葉】はバランスの良い紅茶で、クセが少なく飲みやすい。

― ローグロウンティー【低地産の茶葉】はコクや甘みがあり、濃厚でありながら飲みやすい。

[3]セイロンティーを代表する7つの産地

セイロンティーには、『セイロン・セブン・カインズ(Ceylon Seven Kinds)』と呼ばれる世界的にも有名な7つの産地があります。それぞれが全く異なる特徴や魅力を持った紅茶となっていますので、各産地のについて詳しく見ていきましょう。

ウバ(Uva)

世界三大紅茶の一つとしても知られる「ウバ」は、スリランカ南東部にある標高1,800メートルのハイグロウン(高地)の産地です。爽やかな香り、サロメチール香と呼ばれるメントール系の香りの「ウバフレーバー」が特徴で、輝く水色の美しさとともに良質のものほど特徴が強くなります。メントール香はミルクティーにすることでフルーティーに変化し、深いコクと爽やかな香りのミルクティーが楽しめます。

【ウバハイランド茶園】

ウバの銘茶園・御三家のひとつ。標高は1,200メートル。
メントール香が出るのは1年に1カ月程度で、味と香りがベストな状態となるのは2週間ほどしかありません。フレーバリーシーズンだけの香りと、上質なウバの証である金色のコロナリングが特徴。

ヌワラエリア(Nuwara Eliya)

「ヌワラエリア」は、標高1,800~2,000メートルというスリランカで最も高い場所にある産地です。避暑地としても発展してきた地域ですが、昼夜の温度差は激しく、この温度差によって独特の渋みと高貴な香りを生み出しています。自生するユーカリやミントの風味も加わり、「セイロンティーのシャンパン」と称される繊細で爽やかな風味の紅茶となっています。

【ラバーズリープ茶園】

ヌワラエリアのトップ茶園で、数々の賞を受賞している人気茶園。
標高は1,910メートル、平均気温15度。
旬の時期には夜間に製茶を行い発酵の絶妙なコントロールと環境の管理によって、爽やかなキレの中にほんのりと甘さを感じる仕上げとしています。

ディンブラ(Dimbulla)

「ディンブラ」は、標高1,200~1,600メートルのハイグロウン(高地)の産地で、紅茶の栽培に最適なスリランカのなかでも恵まれた土壌と気候条件を有しています。フレーバリーシーズンの12~2月の茶葉は、「セイロン茶の王者」にふさわしいバラや柑橘系の香りと、しっかりとした輪郭のあるキレの良い渋味が特徴となっています。

【グレートウエスタン茶園】

ディンブラの銘茶園・御三家のひとつで、芳香の素晴らしさに特徴をもつ茶園。
ゴージャスな花の香りは、フレーバリーシーズン特有の仕上げによるもので、夜9時頃の低温を活かした発酵も、良い香りの秘密となっています。
グレートウエスタン茶園の他にも、カレルチャペック紅茶店ではディンブラは大人気。
茶園ごとの特色に合わせた組み合わせによって、さまざまな表情の紅茶が誕生しています。

キャンディ(Kandy)

セイロン紅茶の発祥の地として有名な「キャンディ」は、標高600~1,200メートルのミディアムグロウン(中地)の産地です。バランスの良い渋みとコクで飲みやすく、ほんのりと感じるモルティ―フレーバーが特徴となっています。

ルフナ(Ruhuna)

「ルフナ」は、標高200~700メートルほどのローグロウン(低地)の産地で、セイロンティーのなかで最も低い地域で栽培されています。ローグロウンならではの濃い赤茶色の水色と、濃厚な味わいが特徴で、個性的ながらも飲みやすい紅茶となっています。ストレートはもちろん、独自の香りや甘みが残るミルクティーでもおすすめです。

【ルンビニ茶園】

標高500mのルフナの中では標高が高い位置にある。ルフナ茶の常識を覆し、今やセイロン紅茶をリードする存在。圧倒的な品質と鮮度で、ミルクティーにしても紅茶の風味が消えません。

サバラガムワ(Sabaragamuwa)

「サバラガムワ」は、数年前までは「ルフナ」とされていた産地です。標高や気候の違いによってルフナとは異なる産地として新たに加えられました。カレルチャペック紅茶店では、『パンケーキティー』や『ハロウィンティー』のベースとしてサバラガムワのC.T.C.が使われています。C.T.C製法によってコクや深みが増しますが、インド茶よりもライトですっきりとした味わいが特徴です。

ウダプッセラワ(Uda Pussellawa)

ヌワラエリアとウバの中間にある「ウダプッセワラ」は、風味の違いによって新しく独立した産地です。
標高は1,500メートルほどに位置するハイグロウン(高地)の産地で、繊細さのなかに口当たりの良いマイルドさが感じられます。喉ごしの良さや、ほのかに香るメントール香が特徴です。

[4]セイロンティーと他の紅茶との違い

セイロンティーと他の紅茶の違いって気になりますよね。セイロンティー同様有名で、比較されることも多いダージリンとアールグレイとの違いをまとめました。

セイロンティーとダージリンの違い

ダージリンはインドのダージリン地方で生産された紅茶で、セイロンティーはスリランカ産紅茶の総称です。

ですので、どちらも紅茶の産地の種類の1つですが、セイロンティーと同等はインドティー(あまり言いませんが・・)、ダージリンと同等はディンブラ・ヌワラエリヤなどです。

ちなみにダージリンは、標高2,000mという高地で栽培されています。朝夕と日中の気温差が大きく、毎日何度も霧が発生するという独特な環境で成長。

この環境がフルーティーな香りと渋み・コクのある味わいを生み出します。マスカットのようなフルーティーな香りから「紅茶のシャンパン」とも呼ばれています。

セイロンティーとアールグレイの違い

紅茶のことをあまり知らない方の中には、アールグレイもセイロンティーで使用される茶葉同様、ひとつの茶葉の種類と思っている方がいますが、アールグレイという茶葉はありません。

アールグレイは色々な種類の茶葉にベルガモットの香りをつけたフレーバーティーです。19世紀にイギリスのグレイ伯爵(アール=伯爵の意)がこの紅茶をこよなく愛したことから「アールグレイ」と名付けられました。

今では、茶葉の種類と思われるほど紅茶通以外の皆さまにも知られているフレーバーティーであるアールグレイは、そのおいしさと親しみやすさから紅茶の世界を広げてくれているようにも思えます。

[5]旬の茶葉を使ったセイロンティーを楽しもう

セイロン紅茶と一言でいっても、産地によって、さらには茶園によって味も様々。そして、鮮度が保持された旬の紅茶でこそ、その違いがくっきり楽しめます。現在、カレルチャペック紅茶店では「ルフナ」「ヌワラエリヤ」「ディンブラ」を取扱中です。

カレルチャペック ルフナ 1,080円

世界最多受賞<ルンビニ茶園>のルフナ茶です。さらに、カレルチャペック紅茶店別注の100%選別手摘み茶葉を使用。圧倒的な鮮度で、温かい時は香りが素晴らしく、常温や冷めた後に甘味と旨味が増します。

カレルチャペック ヌワラエリヤ 1,080円

ほんの短いフレバリーシーズンの、選別手摘み茶葉を100%使用。希少性が高い中、良品はさらに限られている茶葉の中でこんな絶品は他にありません!華やかで上質な渋みと若々しい芳香を楽しめます。

カレルチャペック ディンブラ 1,080円

カレルチャペックのディンブラはその時々のベストな茶園を厳選しているので鮮度抜群!濃く突き抜けるような香りと円満な渋みとコク、明るく軽快な後味のディンブラ茶を楽しめます。どんな飲み方でも美味しく飲めるのも魅力。

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