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みなさんは、どんなときに紅茶を飲みますか?そして、どんなふうに紅茶を選んでいますか?もちろん、個人の好みがありますので、ストレートで飲む方、ミルクティーが大好きな方、1日に何杯も飲む方、1週間に1度くらいという方もおられると思います。
また、普段はコーヒー派という方も多いかもしれません。
けれども、せっかく一杯の紅茶をいれるなら、ぜひ、そのときの気分や食事に合った、しかもおいしい茶葉で最高の一杯を飲んでいただきたいと思います。
きょうは、茶葉の種類について、お話しします。

おいしい紅茶はひとつではありません。
飲む人が変われば、好みの紅茶も変わる。また、暑い夏の日に飲みたいものと、疲れているときに飲みたいものでも変わります。それぞれの1杯に合った茶葉を見つけるためには、いろいろな紅茶の味を知ることが大切です。
まずは、紅茶の茶葉にはどんな種類があるのかを知り、好みの味を見つけることからはじめてみましょう。

紅茶の種類1~産地別茶葉(シングルオリジン)

紅茶の味は、インド、スリランカなど産地による味の違いがありますが、収穫時期によっても全く異なります。
一般的に、農作物がもっともおいしく収穫量も多いのは旬。

インド紅茶の場合、収穫時期が決まっているのに対し、セイロン紅茶の場合は年間を通して収穫できます。しかし、旬に収穫できる茶葉の量は半分以下。その旬の時期(なんとたった数週間程度!)というのは雨が少なく、植物にとって過酷な状況であるため、茶樹が葉っぱに栄養=おいしさを蓄えようとするため、その産地の特徴も顕著になるのです。現地の茶園マネージャーたちはその時期を「フレバリーシーズン」と呼びます。

紅茶は、さらに、各茶園マネージャーの仕上げ方によっても、まったく異なる仕上がりになることを覚えておきましょう。

ここでは、個性が強い、ぜひ覚えてほしい産地別の茶葉についてご紹介しています。

スリランカ

  • ヌワラエリア Nuwara Eliya (爽やかで繊細なセイロン紅茶のシャンパン)
    標高約1,800~2,000m
    スリランカでは標高がもっとも高く、昼夜の寒暖差が大きいヌワラエリア。その気候が独特の渋みと高貴な香りを生み出し、自生するユーカリやミントが紅茶の樹に風味を加えることで、清涼感のある若々しい味になります。
  • ウバ Uva (世界で唯一無二のフレーバー)
    標高約1,000~1,700m
    世界三大紅茶の1つであり、ほかの紅茶にはないメントール香(ウバフレーバー)は、わずか数週間のフレバリーシーズンだけのものです。ストレートで独特の香りが楽しめ、ミルクを入れると爽やかなミルクティーを楽しめます。
  • ディンブラ Dimbula (セイロンティー正統派の華麗な王様)
    標高約1,400~1,700m
    色・香り・味すべてにバランスがとれた正統派の風味は、ストレートやミルクティー、アイスティーでもしっかりと香りと渋みが味わえます。本当においしいディンブラ茶の味を覚えることが、紅茶の道の第一歩とも言えます。
  • ルフナ Ruhuna (独特のコクと甘みにクリアな後味)
    標高約200~700m
    しっかりと濃い赤茶色の水色と濃厚な味わいが特徴です。上質なルフナ茶は、独特のモルティーさ(カラメルのような麦芽香)と舌に転がる黒糖のような甘みに、セイロンティーならではのすっきりとした後味があります。ミルクティーによく合います。
  • キャンディ Kandy (セイロンティー発祥地。飲みやすさが身上)
    標高約600~1,200m
    ミディアムグロウン(中地産)の産地で、コクと渋みがよくも悪くも控えめで、飲みやすさが特徴です。
  • ウダプッセラワ Uda Pussellawa (年2回のフレバリーシーズン。飲みやすさ抜群)
    標高約950~1,600m
    ヌワラエリアとウバの中間に位置し、年に2回のフレバリーシーズンがあります。ハイグロウン(高地産)の茶葉ならではの繊細さと、口当たりのよいマイルドさもあり、ストレートでもミルクでも楽しめます。
  • サバラガムワ Sabaragamuwa (コクがありながらライトな味わい)
    標高約200~700m
    数年前までは「ルフナ」とされていた産地ですが、標高や気候の違いによって「ルフナとは異なる産地」としてあらたに加えられました。CTC製法にするとコクや深みが増しますが、インド茶よりもライトですっきりとした味わいが特徴です。

 

インド

  • ダージリン Darjeeling (特徴のある香りと渋みでブランディングされた銘茶)
    標高約1,000~2,500m
    世界三大紅茶の1つで、甘く爽やかな香りと上品な渋みはダージリンならではのものです。年3回(1stフラッシュ、2ndフラッシュ、オータムナル)の収穫期でそれぞれに特徴があり、その仕上がりが注目される、紅茶で唯一ブランディングされた産地です。
  • アッサム Assam (濃厚な甘みと水色でミルクティー向けの代表格)
    標高約500m以下
    季節風によるたっぷりの雨が、深いコクとモルティーさを育みます。90パーセント以上がCTC製法で加工され、ミルクティーに最適。フルリーフタイプは、茶葉本来の若々しさが味わえるのでストレートでも。
  • ニルギリ Nilgiri (インド茶のコクと爽やかさが共存)
    標高約1,200~2,000m
    ほとんどがCTC製法で加工されます。インド茶特有の甘く深いコクと、セイロン茶風の爽やかさが同時に味わえます。

その他の産地

  • 【中国】キーマン Keemun (伝統的な三大紅茶の1つ)
    標高約1,500m以上
    中国南東部の安徽省産で、独特の燻製香が特徴。渋みが弱く甘みがあり、ミルクティーにすると独特の風味を楽しめます。キーマン茶は10以上の品質ランクによって出荷され、特級茶は蘭のような香りがするともいわれます。偽物も多く、本物に出会うのは難しいです。
  • 【ケニア】ケニア Kenya (マイルドで均一な味わい)
    標高約 1,500~2,700m
    ケニアは、世界トップクラスの紅茶の産地で、輸出量は世界第1位、生産量は世界第2位を誇ります。多彩な作り方はせず、CTC製法の均一かつ安定した品質が特徴です。マイルドで若々しい風味の葉は、イギリス人好みの色の濃い、ミルクティー向きの仕上がりになっています。
  • 【インドネシア】ジャワ Java (ゴクゴク楽しめる軽さが魅力)
    標高約1,300~1,800m
    インドネシアのジャワ島の高地でつくられます。鮮やかな赤い水色で渋みが少なく、味・香りともに軽め。食事ともよく合い、水がわりにゴクゴクと楽しめるものが多いです。

紅茶の種類2~ブレンドティー&フレーバーティー

ブレンドティー

“ブレンド”というと、どのようなイメージがありますか?
「よい茶葉と、そうではない茶葉を合わせること」
このようにイメージする人は多いです。実際に、品質や価格の調整のために、このようなブレンドが施される場合もあります。しかし、このようなブレンドがすべてではありません。
ティーブレンダーは、各産地の茶葉本来のおいしさと特徴を知り尽くしたうえで、イメージするブレンドティーを作りあげていきます。私、山田詩子は紅茶をブレンドするとき、常にゴールをイメージして「テーマ」を決めます。ブレンドによって、それぞれの茶葉の個性をさらに引き出すのです。

≪多面的なおいしさを表現≫

たとえば、カレルチャペック紅茶店のブレンドティー、『カレルチャペックエブリデイ』のテーマは、“毎日飲むたびに感動できる紅茶”です。
爽やかな香りが特徴の茶葉と、コクが決め手の茶葉の2種類を使うことで、イメージ通りのブレンドティーに仕上げています。

ブレンドティーには、さまざまなブレンドがあります。同じ絵の具を使っても、描き手によって絵の表情が変わるように、同じ茶葉でもブレンダーが変わることで違う魅力が楽しめるのです。

フレーバーティー

紅茶専門家や紅茶通の人のなかには、「フレーバーティー=俗っぽい、専門的ではない」、として、フレーバーティーを敬遠する人も多いのですが、それはおそらく、その人の飲まれたベースとなる紅茶の品質がよくなく、フレーバーと紅茶があっていないことが考えられます。
フレーバーティーの楽しさは、ベースの紅茶が良質であることが第一。フレバリーシーズンの銘茶と、その茶葉の個性に合わせてフレーバリングすることで、紅茶の魅力を広げられる“おいしさ”が感じられます。
私はフレーバーティーの味方です。カレルチャペック紅茶店では、フレーバーティーにも“鮮度を保ったフレバリーシーズンの銘茶”を使い、その個性にぴったりのフレーバリングを施しています。

≪フレーバーティーの5つの種類≫
  1. フルーツ系(アップル、いちご、ピーチ、レモン、オレンジなど)
    親しみやすいフレーバーは、アイスティーにも最適です。
  2. スイート系(バニラ、キャラメル、カスタードなど)
    フレーバーミルクティーで甘味を加えて、スイーツがわりに。
  3. ナッツ系(アーモンド、ヘーゼルナッツ、マロンなど)
    チョコレート菓子との相性抜群。
  4. スパイス系(ジンジャー、シナモン、カルダモンなど)
    紅茶&スパイスで健康的においしく。
  5. シーズンスペシャル(クリスマス、ウエディング、ハロウィンなど)
    いわれにちなんで、記念日を盛り上げます。

紅茶のグレードとは?

さて、紅茶の名称で「ダージリン」「ウバ」などのほかに、「OP」、「BOP」などの表記に気づく方もおられるでしょう。これらは茶葉のグレードと呼ばれるもので、大きさを表します。紅茶のグレードとは、茶葉のサイズ(大きさ)のことで、決して品質の良し悪しを表すものではないのです。
サイズ区分は茶園ごとに大抵5~6つに分かれており、サイズの細かいものを「D(ダスト)」と呼称します。したがって、「茶葉が大きい=高品質、茶葉が小さい=低品質」ではありません。ただし、細かい茶葉は劣化しやすいという特徴はあります。

主なグレード

OP(オレンジペコー)

細くよじれた長い形状で、7~11mm程度。
むらし時間を長くして、茶葉のよりをしっかり戻して飲みたいタイプ。

PEKO(ペコー)

3~5mm程度。
BOPだと渋みが強くなりすぎる紅茶も、PEKOサイズで香りやコクがバランスよく楽しめることもあります。

BOP(ブロークンオレンジペコー)

2~3mm程度。
セイロンティーでよく目にするサイズ。
香り、ボディー、コクのすべてをきちんと味わえるサイズ。

BOPF(ブロークンオレンジペコーファニングス)

1~2mm程度。
ティーバッグや水出しでも濃く出るサイズ。

D(ダスト)

0.5~1mm程度の粉末状。
浸出が早く、水色が濃く、強い香りが楽しめるサイズ。
高値になることも。

CTC

CTCとは、「CRUSH(つぶす)」「TEAR(引き裂く)」「CURL(丸める)」の頭文字をとった、CTC製法で仕上げられた茶葉をいいます。
濃く早く出るため、ティーバッグやミルクティー向きの茶葉は、このCTC製法によって仕上げられます。

*ちなみに…

葉っぱの部位を「オレンジペコー」や「ペコー」と言ったりする場合もありますが、グレード(サイズ)の「OP(オレンジペコー)」とはまったく関係はありません。
紅茶は、1芯2葉で摘んだ茶葉を部位の区別をせずに、まるごと製造工程にかけます。最後にふるいにかけて、サイズを区別していくという工程です。

一口に紅茶と言っても、栽培の場所(どこで育つか)、環境、収穫時期(年)、製造工程(茶園マネージャーの仕上げ)によって、見た目はもちろん、味や香りが全く違うものになります。

紅茶の茶葉の種類を知ると、いろいろな産地の茶葉を試したくなると思います。そして、飲んでいるうちに、各産地の紅茶の個性や本当の紅茶のおいしさが分かり始めます。茶葉の種類だけでなく、品質の良し悪しもすぐに感じられるでしょう。

その日の気分や、合わせる料理・お菓子にぴったりの一杯を見つけるという楽しさをぜひ味わってみてください。
きょうも最高の一杯を!

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