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おいしい紅茶の秘密 – 01 クリスマス紅茶のはじまり

2016年12月22日   トピックス, 山田詩子の世界

2017年で30年を迎えるカレルチャペック紅茶店の茶葉のほとんどが、紅茶の世界では非常に稀なオーダーメイド製茶。だからこそ、紅茶のプロフィールの細部まで伝えられることを誇りとし、とても大切にしています。また茶葉だけでなく、フレーバリング、パッケージアートまで、オーナー山田詩子が一貫して手がけることで、<飲むだけでテーマが伝わる紅茶>と言われています。中でも毎年新作が出るクリスマスティーは数多くのカレルコレクターのマストアイテム。第1回はその誕生の秘密と最新のクリスマスティーについて探ります。
第1回はカレルチャペック紅茶店のクリスマスティーのはじまりについてお送りします。
山田詩子 - やまだうたこ

山田詩子(やまだうたこ)
1987年カレルチャペック紅茶店創業。以来そのブレのない視点と自由な発想で選ぶ紅茶で、新しい紅茶界を牽引する一人。<おいしい紅茶とは何か>と問い続け、<どこよりも卓越した品質と鮮度>で本来の産地特有の茶葉の味を残すことに執念を燃やす。そのフレーバリングのセンスで作り上げたフレーバーティーは、<飲むアロマ>として特に評価が高い。紅茶やお菓子の著書多数。絵本の著作は約30冊。 1日にテイスティング以外に飲む紅茶は15杯以上。 無類の絵本、児童書好きで蔵書は約3000冊。

クリスマスは闇の季節だった!?

――今年もクリスマスの紅茶が2種類発売されましたね。まずクリスマス自体の誕生の秘密を教えて下さい。

今ではお菓子やご馳走、贈り物で楽しいイメージのクリスマスは、実は本来は「闇の時期」。昔のヨーロッパの冬は、疫病や貧しさ、寒さと飢えの暗黒が支配する季節でした。
森や荒野などではもちろん、都市部でも、自然への大きな畏れを持つのは当然。いかに人間が無防備で弱いかを、毎日リアルに感じ辛かったと思います。
クリスマスは、キリスト誕生を祝う日と、一般的にいわれています。でも源流はさらに古く北欧神話に関係しているとも。クリスマスに欠かせないツリーは、いけにえに由来しているといわれています。

そんなキリスト教以前の暗い部分が今も残っていることに、私はパワーを感じます。
文明が皆に行き渡る以前、人々は今よりもっと冬(辛い時代)の厳しさに打ち克つ力と明るさを求め、春(より良い時代)を強く待ち望んだのではないでしょうか。
そんなことから、クリスマスは《キリストの誕生で、闇と飢えと恐れに満ちた世に、永遠の希望が生まれた》ことを祝う日になったのだと思います。

闇に対し明るく楽しく強いクリスマスのモチーフたち。

――そういえば寒い季節なのに、クリスマスは楽しく明るいイメージです。

そうですね。クリスマスモチーフも<闇から光へ><永遠>に関係するものが数多くあります。
そのほんの一部を紹介すると……

<ロウソク> 世を照らす光 – 福音を表す
<ベル> 良い知らせを表す
<星> 羊飼いや三人の賢者にキリストの誕生を知らせ導いた。
<モミの木> 常緑なので永遠を表す。
<リース> 円は途切れない永遠を表現。
<靴下と煙突> 聖ニコラス(サンタクロース)が貧しい娘たちのため煙突から投げ入れた金貨が偶然靴下に入ったという話から。
<杖型キャンデー> 羊飼いの杖。羊飼いはイエス、羊は世の人とも。赤と白は血と清い心を表す。
<オーナメントのボール> 元々ドイツで知恵を表すりんごを飾ったのが、オーナメントの始まり。その後ガラス球に変わり、様々な素材で作られた。赤は血、白は純潔、緑は永遠、金と銀は気高さや高潔さを表す。
<ジンジャーブレッドマン> その姿形は疫病予防のため生姜を食べることを広めた英国のヘンリー8世を表した。

今思いつくだけでもこれだけあります。

紅茶でクリスマスを描く。

―これだけモチーフがあれば、多彩なイメージが湧いてきそうですね。

ええ、クリスマスティーだけで何年分ものアイディアがあります。闇や寒さがあるからこそ、明るさや温かさを感じるクリスマス。紅茶にふさわしい、本当に楽しい時期です。特にテイスターとして、紅茶のブレンドにすごく燃えるんです。クリスマスモチーフからはもちろん、音楽や本もヒントになります。
パッケージアートも、一つの小さなモチーフ、また色から発想したりもします。
古い言い伝えや、絵画からも刺激を受けることもあって、絞りきれないほど。いつまでも浸っていたいくらい好きです。

クリスマスの幸せな気分を一番大事にしていますが、同時に<根源的な暗闇や永遠>も意識して絵を描き、ブレンドしています。
毎年クリスマスという題で紅茶作品を制作し、発表しているつもりです。

30年続くカレルチャペック紅茶店の2種類のクリスマスティーのこと。

――カレルチャペック紅茶店のクリスマ スの紅茶は歴史が深いものですよね。きっかけは何ですか?

創業当時から毎年、クリスマスに「メリークリスマスティー」と「ホリーミルクティー」という2種類の紅茶を制作していました。

最初に作ったのは「ホリーミルクティー」。出口保夫先生の著書『午後は女王陛下の紅茶を』にあった<イギリスではクリスマスディナーはミルクティーで締めくくる>というのを読んで燃えたから。最高のクリスマスミルクティーを作ろう!と意気込んだのがスタート。でも今思うとイギリスは、クリスマスはもとより、朝から晩まで同じミルクティーなのかもなぁと。(笑)
でも当時は、その神聖なるミルクティーブレンド制作は必須でした。それが「ホリーミルクティー」。聖なるミルクティーって……かっこいい!我ながら若さを感じますね(笑)。

でもやっぱり緑茶文化に慣れ親しんでいて、ストレートで紅茶を飲む方が多いのも、私たちの国の素敵な部分。ですからキレの良いストレート向き紅茶「メリークリスマスティー」も必ず出しています。
どちらも人気ですが、最初はホリーミルクティーはノンフレーバーでした。

今は二つともフレーバーティーです。クリスマスの<楽しさ>を違う面から表現してみたくなった時に、フレーバリングの重要性を感じたからです。毎年製品となったクリスマスティーを自分でも飲みながら、最初のコンセプト通りのイメージがわくかどうかを、チェックしています。
時として、もっとこんな絵にすればよかった、こんなブレンドにすればよかった、という一人反省会みたいな時もあります(笑)
じゃあ、それはまた来年のクリスマスティーに反映しよう!と燃えるわけです。

――次回はメリークリスマスティーのブレンドについて詳しく探っていきます。お楽しみに!

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